2016年5月10日(火) NO.224 『 2016年5月号 増補版 旭東教会牧師室便り 』

Oさんからのお便りと同封されていた『ジパング倶楽部  特集 岡山なつかし町さんぽ 』。
Oさんからのお便りと同封されていた『ジパング倶楽部  特集 岡山なつかし町さんぽ 』。

 

 

 『 2016年5月8日号 増補版 旭東教会  牧師室便り 』
             2016年5月8日 № 12
                    牧師 森 言一郎 

 

※ダラダラと長いです。覚悟のある方がどうぞ。

 

いつの間にやら音信不通の関係になってしまうことがある。

 

その背後にはさまざまな事情があるもの。

 

4月の下旬、不義理をすることの多かったO(オー)さんという人生の大恩人とも言うべき方からお便りがあった。

 

O(オー)さん。多分、お歳は70代前半位の男性だ。

 

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わたしは17歳の時、東京で姉・○子と二人暮らしをするようになった。

 

1977年・昭和52年のことだ。

 

これまたさまざま事情があるのだけど、O(オー)さんは使わなくなっていた旧宅を無料で提供して下さり、わたしたち姉弟のみならず、森家をお支え下さった方だ。

 

O(オー)さんのお宅は、JR山手線の巣鴨駅に近いとこだった。東京のことは何も知らないで上京したのだが、考えて見たら普通では借りられないような一等地。駅まで歩いて7分。姉もわたしも学校まで近かった。

 

それでも二人暮らしの家には電話はなく、姉と二人、黄色のNTTの公衆電話から〈コレクトコール〉という先方=実家の両親払いの電話を、巣鴨駅前まで行き、夜8時か9時過ぎにしにいったものだった。

 

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父は若い頃、都内の私立高校で教鞭をとった時期がある。

 

その後、わたしの祖父が暮らしていた大分に職を求めて転居することになるのだが、その頃の教え子の一人がO(オー)さんだった。

 

Oさんは全国各地の花嫁の着付けと美容を専門とする先生方のために、先代と共に長年尽力されてきた方。

 

だから、岡山近郊にもお知り合いの先生方が多く居られたのだと思う。

 

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食べ盛りの高校生だったわたし。

 

道路を挟んでお向かいのO(オー)家に「今日は姉が居ないのでご飯食べさせて下さい」といつものようにお邪魔すると、「これは〈ままかり〉と言って、お隣からご飯を借りてこなければならない程おいしい…」と教えて下さったことを記憶している。

 

その時、「岡山の名産」というような言葉が発せられていたハズなのだが記憶にない。

 

しかし、人生初の〈ままかり〉体験をO(オー)家でしたのは確かだ。

 

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O(オー)さんからの大きな封筒に入れられていたのは二つ。

 

一つは〈森 言一郎様〉と宛名が書かれた小さな封筒に入った手紙だった。

 

「4月18日~19日迄仕事で岡山入りしたけれども、ホテルに缶詰状態で会うチャンスを失い残念」ということが最初に書かれてた。

 

その他、岡山の中心部の変化にも驚いて居られた。

 

そして、もう一つは『ジパング倶楽部 ~特集~ 岡山なつかし町さんぽ』という小冊子だった。

 

なんと全く同じ冊子を、岡山に暮らし始めて40年近いご婦人のもとに、お姉さまから送られてきた、という後日談もある。

 

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O(オー)さんこう記して下さった。

 

「言一郎君もすでに訪れた所もあるかも知れないけれど、もし何かの参考に成ればと思った次第。いそがしい毎日でしょうが、時には仕事の地区を知っておくのも良いのではと同封しました」と。

 

味わい深い青みがかった万年筆だ。

 

実はわたし、O(オー)さんには顔向けできない位の不義理をしっぱなしなのだった。

 

姉との住居のことのみならず、26歳の頃、仕事を失って路頭に迷っていた時にも助け手を差し伸べて下さった方なのに、30代半ば頃からほぼ20年近く音信不通のまま過ごしていた。

 

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旭東教会へ着任する少し前、悔い改めの心で手紙を記し、長年の失礼を心からお詫びしたのだ。牧師として最北の町で元気に暮らしていることをお伝えしたことで交流が復活したのでした。

 

O(オー)さんからのお便りを読み終えてから直ぐに美樹さんにわたしはこうつぶやいた。

 

「何だか、オヤジからの手紙みたいだよ」と。

 

ありがたい、と思った。

 

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昭和2年生まれの父。すでに召されてから19年経つ。

 

その父が、何かにつけハガキをくれたり、息子(わたし)の役に立ちそうな新聞記事を見つけると切り抜きを何枚もコピーして送って来てくれることがあったものだ。

 

この度のO(オー)さんのお心遣いは、じんわりと効いてくるあたたかさがあった。オヤジの眼差しを感じるのだ。

 

また、ゆるされていることを感じる瞬間でもあった。

 

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わたしも下手なりに心を込めて万年筆を手にして近況をお知らせすると共に、半年余りの歩みがわかるこの『牧師室便り』のバックナンバーをお送りした。

 

そして、最新号の《森牧師の部屋》のブログを印刷して同封した。

 

このようなことが出来たのも、山あり谷ありののちに、現在があるからだと思う。

 

感謝だ。

 

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話は変わるが、過日、市内の病院で甲状腺の細胞検査を受け、少し心配したことがあった。このブログの前号をお読みの方はご存知の通り。

 

教会総会後の臨時役員会のさいごに、「手術が必要というような時には、元気になることを最優先に、あれこれ考えず、直ぐに入院します。日曜日のこと等、みなさんで相談して下さい」とお願いする場面があった。

 

幸い、腫瘍ではなく治療も投薬もなしで半年後に来院をということで事なきを得た。

 

何にも増して有り難かったのは、もしやということを、率直に相談させて頂けたことだったと思う。

 

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と思っていたら、O(オー)さんから、ハガキが届いた。まるでオヤジのように。

 

【お便りの中、旭東教会の牧師室便りを拝読していて、北海道でのお便りと同様、しっかり心に定まった気持ちが伝わって参ります。きっと心に定まった人生観(感)があることが、このお便りを・・・・・・】とある。

 

さらに前述の甲状腺の細胞検査に触れて【お身体のことも心配もあるようですが、それこそ一病息災、留意しながら生きることが・・・・・・】と続く。

 

さいごは【かたよらない心、こだわらない心、とらわれない心、これがここ数年来の私の日々の生活の基本にしています。合掌】と書かれている。

 

まさに、お便りの空気は親父そのものだ。

 

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最近、大好きな珈琲を雑味なくおいしく煎(い)れるワザを、科学的考察?を経て身に着けたような気がする。

 

いやいや、以前から本を読んで知っていたが、その著者がまたあらたに本を出されて、じゃぁ一度試してみよう、と思った次第。

 

すごく簡単に伝授できるのでお声がけ下されば幸い。

 

ゴールデンウィーク、教会にお出でになったお二人に試してみたら、二人揃ってハッキリと「違います!」とお答え下さった。

 

なので、思い込みではないはずである。

 

どう変わるかというと、妻が言うには「スーッと飲める。お替わりしたくなる」というもの。雑味が消えます、かなり!

 

なぜ、珈琲専門店が堂々とこれを取り入れないか。

 

それはそれできっと理由があるとは思うのだけど。end

 

 

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