2016年3月6日(日) NO.219 『 増補版 牧師室便り 10号 』

2016年2月19日(金)夜10時過ぎ、裸祭で知られる「会陽(えよう)」の舞台となる東本願寺の観音院さんにて。ここに男たちの裸が溢れる。
2016年2月19日(金)夜10時過ぎ、裸祭で知られる「会陽(えよう)」の舞台となる東本願寺の観音院さんにて。ここに男たちの裸が溢れる。

早いもので、もう間もなく岡山に暮らし始めて一年になる。春が早いなぁと思うこの頃。稚内では、そろそろ氷割りが始まる頃だろうか。

 

2015年の3月下旬、最北の町から、JRのコンテナー貨物の移動のスピードに合わせて南下した旅からあっという間に今となっている。

 

教会の長老が「この一年は長かった。最近は時間の流れが速かったのに」と先頃お話されていた。忙しいだけならば早く時が過ぎていくと思う。何事もよい方向で考えよう。

 

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実は最近、我が家の食卓の定番メニュー入りした料理がある。

 

メインの材料が季節のものなので作るのには制限があるが、おそらくこれから先も、食材が手に入る限りずーっと続くだろうな、と思う程のおいしさ。

 

それは旭東教会創立113周年の愛餐会で初めて口にした〈伝統のかけ汁〉だ。

 

一般には、〈ふな飯〉と呼ばれるアレである。

 

「伝統のかけ汁」とわかるような分からない名の料理が「鮒・ふな」を利用したものだと聞いた時、わたしは後ずさりした。

 

けれども、実際に、教会の愛餐会の食卓に出てきた時にははっきりとおいしかった。そして、鮒じゃなくても大丈夫という情報も得ていたこともあり、ぜひ、森家でもと思った。

 

いや、思ったのはわたしだけではなかったようで、妻もすぐに乗ってきて既に何度か頂いている。

 

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我が家では“ふなミンチ”は使っていない。

 

というか、なかなか普通の魚屋さんには並ばないお店が多い。この辺ではハローズさんにあっが。岡山には沼が多いことも影響あり、と聞いているが、岡山市の中心地にはなんと川魚専門店があるので、教会のご婦人方はそちらから購入している。

 

鶏肉でもいいらしいが、妻がよく行くスーパーで時々見掛ける“げた"=「シタビラメ」で作っている。

 

“げた”というイントネーションは履物下駄とは違う、ということもようやくわかったが、舌平目とはすごい。美味しくないわけがない、という感じもする。

 

何より栄養満点で、全く飽きることもなく、本当に思い起こすと、夜中だとお腹が鳴りそうな位である。

 

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旭東教会の立つ西大寺と言えば東本願寺系の観音院で行われる裸祭(はだかまつり)と聞いていた。

 

「会陽(えよう)」というのだが、2月20日(土)その日がやって来た。日本の三大奇祭の一つとも言われるそうだ。

 

会陽の一週間前から、隣接する旭電業さんという会社に提灯が下げられ、前日にはお騒がせいたしますの挨拶も受けた。オーナーが西大寺に関係する方なのだろう。お隣さんが社を挙げて参加して居られたので大いに勉強になった。

 

博多祇園山笠を知る者にとっては、町全体でこの祭りを!という所まではなっていないのだなぁ、と分かったけれど、それはそれ。

 

室町時代からの何かが続いているだけで十分素晴らしいし嬉しいことだ。

 

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会陽(えよう)前日の夜、妻と観音院さんに散歩に出掛けてみてカメラを構えて初めて気付いたことがある。

 

それは、会陽(えよう)に参加する方々は観音院の境内の片隅にある“鳥居”の先の「垢離取(こりとり)場」で身を清めるということだ。

 

今までも観音院さんには何度か足を運んでいたけれど、あの大きな鳥居には目が行かなかった。

 

神仏習合である。

 

それがこれほど明確に生きて残っている証しに、ナルホドと妙に関心してしまった。

 

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会陽(えよう)が終わって一週間程して、地元で生まれ育った電器屋さん・花口さん(教会会員のH兄と同級生)とお話する機会があった。

 

何と、花口さんの話を聞いていると、祭りの中で福男を目指す方々は、定期的に集まってきては練習を重ね鍛錬しているというではないか。本番ではかなり組織的なプレーもあるらしいことも教えて下さった。

 

さらには、グループ内の交流も兼ねて、岩手県内の由緒ある祭りに出掛けて出稽古?まで行っているという。

 

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花口さん、ひょんなことから最近お世話になるようになったが、今は天国に居られる教会員の故・H兄のご指導の元、西大寺のボーイスカウト活動をなさっていた方。

 

旭東教会のコピー機を置いてあるお部屋に入られた時、「あー懐かしいなぁ」と仰っいたことも重ねて嬉しい。

 

感謝な出会いが与えられている。やはり地元の方々との関係が出来ていくことは、わたしたちにとって無くてはならないことと思う。

 

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北海道の道東に中標津(なかしべつ)という町がある。知床半島に近い方面だ。

 

そこに日本キリスト教団・中標津伝道所がある。稲葉信一牧師が現役のまま急逝されてほぼ一年経つ。昔から存じあげていたし、わたしのことも知っていて下さった方だ。召される前には手紙をお送りした。

 

わたしは前任地の稚内教会で利尻昆布バザーを立ち上げたのだが、中標津伝道所はゴーダチーズを販売している。さすがにチーズを作っているわけではないが。

 

余談ながら、北海道内には他に季節の野菜を販売する島松伝道所、木工クラフトを扱う置戸教会、お酢を販売する栗山教会等があある。

 

それぞれ、本当にまじめな方々が、教会を支えるために頑張っている。

 

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その、中標津伝道所に去年4月から出席されている旧知のご夫妻Aさん達から、蝦夷ふくろうの写真付きのハガキが届いた。ご主人は〈道(どう)〉(県ではなく)の農業関連の職員で転勤族だ。

 

わたしが稚内教会の牧師をする以前のある時期に稚内教会の会員だった方で、ごきょうだいが神学校の後輩、かつ、九州教区であれこれご一緒していたこともあり、いつしか親しくお話するようになったご夫妻だ。

 

お便りにはこうあった。

 

「森先生、お元気ですか。昨年の異動で、中標津伝道所に通っております。本日(2/21)聖日、強風雪のためそれぞれの家庭で礼拝を守ることになりました。旭東教会ホームページより2/14『悪魔の誘惑とわたし』マタイ福音書4章1~14節の御(み)言葉をいただきました」と。

 

インターネットで旭東教会音声メッセージブログに辿りつかれたようだ。

 

奥さまの方の挨拶によれば、今年から『ローズンゲン』の日課を読み始めたとあったので、そのような主にある交わりも含めて、感謝だなぁと心から思う。又一人、ローズンゲンの友を確認できた。

 

そして、北の大地ではこの季節〈強風雪〉ゆえに家庭礼拝でお過ごしになる方たちが居られること思い起こした。

 

春が心底待ち遠しいことだろう。

 

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小学生の頃だと思うが、鷲羽山(わしゅうやま)という四股名(しこな)のお相撲さんが居た。

 

鷲羽山は横綱や大関というわけでは無かったのでその名前もすっかり忘れていたけれど、その方の出身地だとお聞きした倉敷市児島の鷲羽山(わしゅうざん)に2月下旬の月曜日、休養日に妻と出掛けてみた。

 

高松の教会員をお訪ねする際、瀬戸大橋を渡って高速で四国に向かう時に鷲羽山という地名が目にとまっていたので、機会があればと思っていた。

 

これが本当にイイ所だった。

 

我ら夫婦の体力に見合った距離にあり、息抜きにぴったり。家族や友人たちが岡山を訪ねて来てくれたら案内したい所の一つと言い切れると思う。

 

その後、就任式で司式をして下さった嵐護牧師が牧会される琴浦教会を訪問。児島教会も尋ねようとしたが、思いがけない程狭い道で、離合困難な状況に遭遇。

 

今回は諦めた。

 

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各地で頑張っている同労の仲間たちが仕える教会が立っている風土など、わたしにとっては興味深いこと。

 

琴浦教会の礼拝堂を案内して頂いたりしている中で、補聴器システムを検討中であるとか、礼拝堂にエアコンがないので……等というお話もお聞きし、同じような取り組みをしていることもお話できた。

 

嵐先生、失礼しようとしたとき牧師館に駆け込んでいかれ、故郷の土佐からご高齢のお母さまが送って来られたという、おいしい土佐文旦を持たせてくださった。

 

それがまたシミジミおいしく嬉しかった。感謝。end

 

 

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