2016年1月18日(月) № 215 『 教会の温度計 』(週報コラム大幅加筆版)

真ん中が教会の礼拝堂に設置する3台の温度計(湿度計つき)。後方は森家に深く関わる日立家電の温度計。左右は牧師館と書斎で使う温度計つき時計。
真ん中が教会の礼拝堂に設置する3台の温度計(湿度計つき)。後方は森家に深く関わる日立家電の温度計。左右は牧師館と書斎で使う温度計つき時計。

わたしが仕える日本キリスト教団旭東教会。

 

今年113周年を迎える。

 

初代の方々はどんな暖を取って過ごしていたのだろう。そう寒くはなかったか。火鉢なんてこともありそうだ。

 

礼拝堂の寒さ暑さを、今後、どうすればよいだろうという相談が始まった。

 

役員会の元に、《空調関連検討小委員会》という名前の検討の場を設けて提言をしようではありませんか、というものだ。

 

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現在も頑張ってくれている熱々に燃え上がる大型ストーブは確かに暖かい。

 

前任の指方信平牧師が2015年2月1日の旭東教会週報コラムに「静かなる長老」というタイトルでこのように記されている。公のものなので引用させて頂く。

 

以下、【】内引用。

 

情景が思い浮かぶ素晴らしいエッセイで素晴らしい。この話は一度読んだら忘れられない。

 

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【メラメラと燃えるような信仰、黙々(モクモク)と祈りを捧げつつ、いつも控えめに礼拝堂後方に席を取っている方がいます。

 

 ストーブ。毎年11月末、まるで「契約の箱」のように壮年たちによって大切に運び入れられ安置されます。もう何十年にもわたって(私の存在以前から!)、冬から春先にかけて、私たちの礼拝を支えてくれる旭東教会の隠れた長老です。

 

 9年間(実働は4年半)一度も故障することがありませんでした。もしこのストーブがなかったら、と想像してみて下さい。今や、ステンドグラスにその座を明け渡した感はありますが、それでも、「旭東教会といえばやっぱりコレ!」と言えるシンボルではないでしょうか。

 

 いつしか私は、このストーブに友人のような親しみを抱くようになりました(いや、お年寄りを労わるような…か)「今日も、よろしくね~。お互いがんばりましょ~。」そんな気持ちで、日曜日の朝、ストーブの前にしゃがみこみ、じーっと給油します。ボタンを押し続け「ボッ」と点火すると共に、私の心にも火が灯り、さぁ主の日が始まります。】

 

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この素晴らしいストーブ。

 

さあて、新任牧師のわたしも使ってみよう、という段になって、どなたかの使い方説明がなければ難しいことが分かった。

 

こうなると直ぐに頼りにしてしまうのがお近くにお住まいの91歳のK長老だ。

 

あれやこれやとご指導を受けつつも、K長老もストーブの点火に係わるのは本当に久しぶりだったらしく、実はその時、最初は点火しなかった。

 

その時にはK長老も「ありゃ、これは壊れてしまったかな。来春、分解してしまう時にまた手入れするしかないでしょう」と一旦は言われる一幕もあった。実はガス欠というやつで、わたしの思い込みの給油は不完全だったのだ。

 

いずれにしても、K長老の腕に長年頼ってきた修理も限界になっているのも現実だ。

 

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大勢の職員の方々と共に、幼子の保育現場に多少なりとも携わって来たわたしにとっては、やはり何よりも安全性や管理の課題が気になった。

 

振り返って考えて見れば、いずれの幼稚園も保育園もどんなに寒くても、暖房はエアコンを使っていた。極寒の北海道でもそうだった。

 

おそらく、それが一番安全、という判断があるのだろう。後は補う機材としては、火の気のない灯油ファンヒータが使われていた。

 

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かつて新潟の教会で使えていた時には、中越地震と中越沖地震を経験。

 

本棚がバタバタと倒れ本が飛び出し、考えて見ればいのちも危うい可能性もあった。

 

被災地の仲間たちと共に苦悩した経験もその後の歩みにはかなり影響がある。

 

南海トラフの巨大地震が瀬戸内海周辺で最悪の事態を引き起こすこともあり得る、と考えてしまうし、今でも、宿に泊まるときは、頭の位置に絵がぶら下がっていると必ず外してもらうか自ら取り外す。

 

そして、支配人様宛のメッセージを置いて帰るのが常だ。

 

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暑さについても検討要の巡りがあるようだ。

 

壁掛けの扇風機も老朽化し11月末の大掃除の際に処分することになった。

 

そして、2台の冷房専用機の効き目も25年が過ぎていささか怪しい。夏の高温化も30年程前とは明らかに変わった。

 

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面白い話を聞いた。

 

空調関連検討小委員会のメンバーのひとり泰兄がこう言われた。御年67歳の方だ。

 

わたしが中学の頃、職員室の温度計が30℃を超えると、生徒は一斉下校でした」と。

 

50年以上前のこととは言え、日本の、いや、岡山と限定してもよいけれど、夏の高温下が進んだことがはっきりと分かる言葉だった。今では笑い話だが、それが日本の夏だったのだ。

 

そう言えば、農業系の大学校で教鞭を執り、現在も、農家顔負けの野菜作りに励む教会員の現次郎さんも、夏の暑い頃に「先生、暑さの質が変わったんよ。この先、もっと暑くなるだろう」という意味のことを話して居られた。

 

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初めての空調関連検討小委員会の会議の終わり頃、泰さんがが「暖房の温度設定目標を決めましょう。わたしが仕事場は20度に決めています」とgoodな提案をして下さった。

 

実は私も、昨秋、温度計を買ってきて礼拝堂の窓辺に置き、暖房の目安をそれとなく調べ始めていた。

 

我が家には3つある温度計、しょっちゅう目をやっているのに、教会には私の気がつくところには温度計は見当たらなかったので気になったのだった。

 

というわけで、更に同じ温度計を購入。タイプの異なる温度計では誤差が出る可能性は大いにある。それらを別々の場所置いて、暖かさの具合をチェックすることにした。写真が買ってきたそれだ。

 

更には、礼拝堂2階にある牧師室のバルコニーに、かつて置かれていたという、暖気の気流作りのための扇風機設置し、あれやこれやと今後の検討材料とすることになった。

 

時間を掛けて、最善のところに辿り着きたいと願う。

 

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教会の温度計、という今号のタイトル。

 

考えて見ると何とも意味深なものだなぁと今思う。

 

「牧師にはよい意味でのクールさも必要」と大先輩のM牧師に新米牧師の頃に言われた。

 

「同時に、人に騙されることだってある、あたたかなこころも必要なんです」とも言って下さったことが懐かしい。

 

旭東教会にも、わたしにも、目に見えないこころの温度計こそが、もっとも必要なものかも知れない。(もり)

 

 

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