〇こんぶ通信 7号
稚内教会による福音物語 最終号
『 僕たちは独りじゃない ~ We are not alone!~ 』 牧師 : 森 言一郎
*こんぶ牧師 3月末で退任のお知らせ付き
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「こんぶ水、うちでも作り始めましたよ、森先生」。
そんな言葉を最近たびたび耳にするようになりました。
「こんぶ水」を使いだすと「何だか今日はおいしいねぇ」の顔を見合わせるような笑顔が確実に広がります。嬉しいかぎりです。
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稚内教会がお届けする利尻昆布。
この「こんぶちゃん」が最大の力を発揮するのは、やはり利尻昆布10㌘を準備し、〈つま楊枝くらい〉の大きさにハサミで切り、小さなポットに約一㍑の水を注いで冷蔵庫で一晩つけて作る「こんぶ水」だと確信しています。
この方法、昆布は二度迄使えますし二週間は保存が出来ます。ついでに前号に続いてもう一度。
昆布が硬くて切りにくい時はドライヤー等で少し温めて下さい。
そうすれば簡単に切れるのです。これよりも効率的かつ経済的においしい出汁を作る方法を
編み出した方が居られましたら、ぜひともご連絡を!
我らこんぶ委員会、各地の教会やご家庭に、福音として広める務めを果たします。
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「昆布を使ってお米を炊くなんて、おめでたい日のお寿司の時くらいしかなかった」という方もきっと居られると思います。
でもちょっとだけ考えてみました。
何によって作られたのかわからないうま味を出すと言われる調味料。
あるいは、カロリーや塩分もハッキリしない、台所のあれやこれやと比較して、だんぜん健康に良く、和洋中どんなお料理にも見事に寄り添ってくれるこんぶ水。
こんな存在って、他にはないと思います。そこに少しだけコストをかけることは、食の安全への関心が高まっている現代だからこそ選びたい食材ではないでしょうか。
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最終号と心に定めて『こんぶ通信7号』を書くためにわたくしがパソコンに向かったのは1月末の事。
キーボードを打ち出して間もなく、目頭が熱くなりました。
実はわたくし、一心同体と考えている妻の健康回復を第一に願っての決断をし、教会の方々にも了解頂き、3月末をもって稚内から旅立つことが決まりました。
無我夢中で取り組んで来た利尻昆布バザー。その恵みの奥深さは測り知れません。
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利尻昆布バザーを始める前、そして始まってからも市内のお土産物屋さんの店頭にひそかに出向き、市場調査の真似事をしたこともあります。
教会の皆さんで利尻昆布と相まみえながら、時に大笑い、時に肩こりを感じながら作業をしたものです。
最近は作業効率と集中力が相当に高まり、一回3時間弱の作業で500袋を越える袋詰めが出来ることもあります。誤作動も減ったかも知れません!
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果たしてこの取り組み。教会の伝道や宣教とどんなふうに結び付くのだろう、という不安がかすめたこともありました。
いつしか『週報』だけでなく、観光案内パンフ類も段ボールに入れるようになりました。
野菜を日本各地にご紹介している同じ北海教区・島松伝道所の辻中牧師ご夫妻と「なーにやってんだろうなぁ、って時々思うことありますよね」と顔を見合わせ、深くうなずき合うことも。
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昨年夏(2014年)、東京都心にある教会をお訪ねし利尻昆布バザーにまつわる近況を報告した時のことです。
先輩牧師がポツリと言われました。
「こういうのが伝道っていうんだろうなぁ」と。
「こういうの」という言葉の奥にあるものを、敢えて確かめたわけではありません。
でも「こういうの」の周辺に在るあれやこれやが、不思議にも互いを力づけ、結び合わせてくれる事を深く感じるこの頃です。
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『わかめ通信』面白いね、なんて声も時に聞こえて来た『こんぶ通信』。この7号で幕を降ろします。
利尻昆布を通じて、東西南北、レフトもライトも、海をも越え、隣人となるきっかけを与えて下さった神さま、そして、お目にかかったこともないのに、あたたかいお心をお送り続けて下さった皆さまに心から「ありがとうございました」を申し上げます。
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あっ、さいごに「業務連絡、業務連絡」。
牧師の森が利尻昆布の受注と発送を責任をもって担当できますのは、2015年3月5日(木)迄の予定です。
それから先のご注文は原則、「ファクシミリ」か「ハガキ」で、しかも〈発送はしばらく先になります〉ということが、当分の間、続くかも知れません。
もしもお急ぎでしたら、ご注文を取りまとめて頂ければ幸いです。ご連絡、早いほど助かります。
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最北の地にある稚内教会の利尻昆布バザーを通じての「Mission・ミッション」。
末永く続き、根付いて行きますよう、ご声援これからもどうぞよろしくお願い致します。
業務連絡終了です。
皆さまお元気で。完