*今号だけ訳あって写真を載せます
NHKラジオを聴いていると少し前から、「冬の路面凍結に気をつけなさい」という主旨の呼びかけが、ある時間帯に必ず流されているこの頃。
きのうの夕方6時頃のこと、今振り返って見れば、いのちがあって元気にしているのが感謝、といういう自損事故を起こしてしまった。きょう、お世話になっているスバルのYモータースに車を預け、代車生活が始まった。
きのう、所用でオホーツク海方面に出掛けた。行き道・帰り道ともに、安全策をとって(のつもり・・・実はそれが裏目)、国道238号線をひたすら走る、宗谷岬を回るルートを選んだ。
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午前中通りがかった時に、稚内を出てから数十㎞の宗谷岬の辺りを超えてから「危ないなぁ」と感じるアイスバーンを見つつ、「こりゃ、帰り道、用心せんといかんな」と思いつつ通り過ぎた。
帰り道、その、危険だと感じていた登り下りのあるかなり危なそうな気配のする辺りを抜けて(それにしても、車の通りが少ないなぁと思って運転していた)、よーしこれでもう大丈夫、と思いながら、少し気持ちが、ゆるっとなり始めて宗谷岬を過ぎて数分後のこと。
気が付くと、我が家の愛車の車体が左車線から反対側車線に流れ始めたことに気が付いた。もう既にアウトだ。ハンドルが殆ど効かない。
あとで、助手席に同乗してきた妻は、「いやー、すごかったー、逆ハン切って・・・オーすごいと思って見とったし。わたしっ、あんなこと絶対出来んもん」と言う。
誉められて喜ぶような場面では当然ない。
宗谷湾に車が飛び込むのを防ぐ、ガードレール状の網と柱に愛車のテールをシコタマぶつけながら姿勢を持ち直し、150メートル程先のバス停留所付近に愛車スバルレガシーB4は止まった。
後ろから通り過ぎていった車が居たのを記憶している。前方からはどうだったか。記憶にない。
運転席から降りて見ると、右後方のバンパー大破損、テールランプ破損等々。事故証明を取るために稚内警察に電話を入れ、駐在さんが来るのが待つ間に、一体どこでぶつかってしまったのか、破片探しに暗い凍結路をよろよろしながら歩いてみた。
すると、だいぶ離れたゆるーやかなカーブの先にライトの破片が転がって光っている。
宗谷岬から来られた駐在さんがお帰りになる寸前に、「処罰はありません。あなたの後の車は同じように滑って事故を起こしていないのだから、何か、不注意な動きがあったのでしょう・・・以後、気をつけてください。ご苦労さまでした」
「あっ、こちらこそ、ありがとうございました」と頭を下げて、赤の回転灯が回る白黒の車を見送った。
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一夜明けての今日。しみじみ思うのだった。
いのちがあってよかった。他人様にご迷惑をお掛けすることもなく、奇跡的に二人ともむち打ちの症状もない。
これくらいで済んで、「本当に、ありがとうございました」だと思う。任意保険のオールリスクに入っていたことも、我が家の可愛らしい家計には本当に助かった。
きょうお目に掛かった何人かの人に事故のことを話してみると、幾人かは私よりも大変な目に遭っておられることを知る。
とある市内の、やさしいおじさまはこう言われた。
「森先生。わたしは数年前、210万円の新車を買って数日後に、音威子府(おといねっぷ・稚内から1時間半程の所)の山間路で、150万円の修理代がかかる大事故を、アイスバーンで起こしました。スピードも滅茶苦茶だしていました。車両保険に入っていなかったから、360万円で今の車を買ったのと同じです。対向車にもぶつかり・・・・向こうから来る車を見た時、死ぬと思いましたから」
「わたし、先生と同じようなこと、5度ありました。反対車線を飛び越えて、田んぼに落ちて・・・今頃が一番危ないですよね。詳しいことはいずれまた・・・」
という笑顔の大物の若手女性も居られた。
うーん、北国の冬の初めに、本当に厳しい修行の場を神さまは準備して下さったものだと思う。運がよいだけでなく、神業で、最小限の損失に留められたのだ。
だが、前方から、仮にバスやトラックが来ていれば、ほぼ確実にアウトで、今頃、天の国である。いやはや、天国とはとても記せない。時間が経てば経つほど、恐ろしい事態だったなぁ、紙一重だったのだと気づく。
そして、やや落ち込みがちな一日を終えた、かに思った。
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「稚内学」という稚内市が企画した講座を終えて家に戻り、夕飯を食べ始めたとき、きょう修理に持っていった自動車屋さんに積んであった、スバルの富士重工が発行する『cartopia・カートピア 』の最新号11月号の投稿欄を最初に開いた。
2ヶ月近く前に、猿払の道の駅で、美しい夕暮れに遭遇した時、我が家の車と共に景色を撮影した写真と雑文を投稿していたのだった。
すると、あらあら、なんと、北海道・森 言一郎さんの投稿『B4で楽しむ 北海道ライフ』という題がつけられた(編集者のつけたタイトルです)写真と投稿があるではないか。
コメントには、「美しい夕景の写真をありがとうございます。北海道の冬はさぞ厳しいと思いますが、B4と共に愉しく乗り切ってください。北海道らしい美しい冬景色の写真も撮れるといいですね」とあった。
〈 QUOカード 500円 〉頂けるそうだ。
というわけで、今号はこれでおしまい。皆さま、安全運転、お互い本当に気をつけましょう。冬の始まりを告げる北海道の道は、やはり、容赦ない厳しさがあります。end
【十日後の追記 運転免許更新講座出席後(たまたまです)】
教訓:自分で防げることは自分で防御する。命はまだ惜しい。ひとさまの命に関わることをおかしたら、一生悔む(北海道安全活動推進センター?のビデオで死亡事故の遺族のことば集を延々見せて頂きました)。だから安全運転を本当に心掛けるしかありませぬ。はい。
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『cartopia・カートピア 11月号』の投稿は以下の通りです。頼もしく安心と胸を張っていたのも・・・やれやれですな。これが現実であります。
【B4に乗って6年目。パドルシフト付きのUrban Selection。新潟県上越市で購入後、福岡県T市を経て、今はなんと日本の最北稚内市にやって来ました。こんなに移動距離が長いスバル車も珍しいかもです。仕事にレジャーにひろーい北海道の道北地区を中心に走りまわってます。吹雪や圧雪路が当たり前の当地において、AWDのうちの子はどこに行くにも安心で頼りになる好い子です。親ばかですがどこに行っても絵になるヤツなのです。この写真、オホーツク沿岸を走る国道238号沿い、猿払村村営牧場の一角にある「さるふつ公園 道の駅」に秋の夕べに立ち寄った時のもの。広大な大地と焼ける空と愛するB4、そして、助手席にかわいい?妻が座っている、おかしくも美しい写真を撮ることができました。これからも北海道を元気に走りまわって楽しみたいと思います。素晴らしい車と出会って幸せです。スタッフの皆さんもぜひ最北の地に遊びに来てくださいね!】