2013年06月11日(火) №49 『 伝わるコトバを探しましょ 』

 

日曜日の16時から始まる会議に出席のため、片道3時間弱を掛けて名寄に向かった。来年1月、旭川でおこなわれる「年頭修養会」の準備が進んでいる。

 

参加者は400人を超えそうなほど大規模で、しかも、62回目という北海教区の相当歴史ある集いだ。

 

その会議の中で、日曜夕方の人気長寿番組の「笑点」のように、「あっ、はい、できました」「じゃ、○○さん、どうぞ」みたいな感じのやり取りの時間があった。

 

来年の年頭修養会のテーマのキャッチコピーのようなものを創ろうと、していた時だった。誠実な仲間たちと知恵を絞りながら、見たり触れたり聞く人の心に届く言葉を探したのだが、これがとてもむつかしい。

 

直球で真っ正面から勝負のような言葉は、受け取る側からすると、身も心も固くさせてしまう。かといって崩しすぎると、キリスト教会らしくないというのも本当だ。

 

その一方で、何これっ!という感じがないと、引き込まれるような期待感は生まれないような気もする。

 

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進行役の方の見極めがよくて、結論はまた次回の会議にしましょう・・・ということになった。いい判断だったなぁと思う。

 

少し時間を置いてあの会議を振り返って見ると、セブンのおにぎりを頰張りながら、大切なことを伝えるために、伝えたい事柄をどう翻訳したり、言い換えることが出来るのか、という作業を繰り返していたように感じる。

 

話題になっていたことの一つは、「ファシリテーター(facilitator)」或いは「ファシリテート(facilitate)」という言葉の意味は何かということだった。

 

これ、お招きしようとしている講師との関わりでの話題だ。

 

たとえば、『Weblio英和対訳辞書』によると、【ファシリテーション(英: Facilitation)】はこう説明される。

 

○「会議、ミーティング等の場で・・・合意形成や相互理解をサポートすることにより、組織や参加者の活性化、協働を促進させる手法・技術・行為の総称」

うーん、むつかしい。

 

英語が母国語のR先生は、数ヶ月前の同様の会議で、「ファシリテートはどんな意味なの」と聞く声に対して、「うーん、そうだねぇ。何かを引き出すという意味だよー」とみんなに教えてくださったことがあった。

 

そして、一昨日の夜には、「ファシリテーターって、牧師に求められることなんだよ」とも確か口にされたと思う。いやはや大変だ。

 

昨今何かと話題になることの多い、「TOEIC(Test of English for International Communication)」の受験生にとっても難しいんではなかろうか。

 

要するに、ひと言では説明出来にくい、重層的な機能をもつもので、人によっては受け止め方にかなりの幅がある言葉なのだろう。そして、とても大切な役割を意味するようだ。

 

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説教に取り組んだり、手紙を書く時に、“類語辞典"を使うと、よいヒントを見つけられることがある。わたしが類語辞典を使うようになったのは、日本のある説教学の大家の言葉が切っ掛けだった。

 

次の年頭修養会の会議には、少なくとも幾人かがこれを持参しておいた方がよいかも知れない(笑)。年頭修養会のキャッチはどう落ち着くのか、楽しみだ。

 

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そういえば、同じ会議の中で、「革新」・「連帯」という北海教区の掲げ続けている言葉についても話題になった。

 

というか、わたしが、たくさんの先輩方を前にして、まことにせんえつながら少し口にしたのだった。

 

今もこれからも「革新」・「連帯」でいいのか。教会の看板やチラシにこれを掲げられるだろうか。使い分けが必要な言葉を使い続けなければならないところに矛盾はないんだろうか、と。これ決して対決的な論調ではなかったのでご安心を。 そして、わたしは正直、北海教区が大好きです。

 

ある教会の方からは、今年のうちの教会標語は、「ホッとしようよ」なんですよ、という言葉がわたしの発言のあとに続いた。なるほど。

 

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帰宅してから妻に聞いてみた。

 

彼女いわく、「連帯」=「連帯責任」か「連帯保証人」のイメージしかない、とのこと。わたしは、1980年以後活躍したポーランドのワレサ議長(熱心なクリスチャンのはずです)を思い出しますな。

 

「革新」はどうか。

 

これは妻に聞きそびれたが、手元のPCに収められているスーパー大辞林の類語辞典で調べるとこうなった。


・維新(いしん)・改革(かいかく)・改新(かいしん)・改正(かいせい)・改造(かいぞう)・改変(かいへん)・革新(かくしん)・革命(かくめい)・クーデター・更始(こうし)・変革(へんかく)・世直し(よなおし)

 

いやぁ、マイリマシタね。

 

客観的に見て、やはり政治の世界で使われることが多い言葉なのではあるまいか。長くなりましてゴメンナサイ(誰に対してかは不明)。 歴史的な積み重ねと必然、そして、誠実な見証の中で重んじられてきた言葉であるにしても、違和感を抱く世の人、そして、キリスト者も多いのではなかろうか。なお堅守すべきコトバなのだろうか。

 

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わたしたち、同じ事を成し遂げようとするにしても、変わっていくことも必要なのではないかと思う。

 

時代とズレはないか。世間とのミゾはないか。大切にしていることは、キリスト者としてどうしてもゆずれない言葉なのか。

 

必要に応じて翻訳したり表現を変えて行かないと、どんなに良い知らせ(=福音)を与えられ抱えているとしても、わたしたちの働きは、いつのまにか上滑りとなってしまうのでは、と危惧する。

 

牧師の説教も聖書=福音の翻訳・通訳の連続かと思います。

 

サシサワリガアッタカシラ(*'-')ノ~ どうもすみません。end

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