2013.04.22(月) №37 『 増補版・牧師室便り №13 早春号 』

※稚内教会の公式ホームページでは、「お便り・ご案内」の部屋で、PDF版としてお読み頂いているものですが、こちらでは、多少の加筆・増補をしてupいたします。

 何より、PDF版ですと、面倒であったり読みにくい場合もあると思いますので、最新号から『森牧師の部屋』でも、このブログに載せることにいたしました。お交わりの程、よろしくお願いいたします。

 

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2013年04月21日 『 増補版 牧師室便り №13 早春号 』

 

稚内教会 牧師   森 言一郎

 

晴れ間と曇り空が目まぐるしく変わる稚内の春が来ました。ただ、少しさみしいことに、いつもお花の手入れを黙々と続けていた90歳近いお隣のおばあちゃんが、3ヶ月程前から入院され、庭いじりをする姿が見えないのです。今年は見事な芝桜が見られないのか、それとも自然発生するのか、今のところ不明です。

 

お花のことをお尋ねしたり、あいさつを交わせないだけでも、本当にさみしい。そう思います。お庭に咲いているお花があまりにきれいだったので、お留守番をしているご家族にお願いして、先日、カメラをもって写真を撮らせて頂きました。

 

春は引っ越しシーズン。わたしもほぼ一年前に福岡から稚内に2千数百キロを移動して来たわけですが、この一年の間、礼拝の奏楽奉仕を月に一度担当して下さっていた、きらきら保育園の保育士・Sさんが、ご主人の転勤で北見に移って行かれました。

 

いつも“入魂(にゅうこん)”を感じた力強い奏楽が聴けなくなったのはさみしいというのが本音なのですが、失うものよりも与えられた幾つものことにまず感謝しなければなりません。S先生、わたしも願い、祈っていたことですが、北見市内のキリスト教保育をしている幼稚園で、6月からお仕事が内定したとの連絡が入りました。これもまた神さまのご計画。福音だなぁと感じます。

 

転勤と言えば、わたしには祈りつつ待っていたことがあります。それは、各地から稚内に引っ越して来られた方の中に、クリスチャンが居られたら、ぜひ稚内教会にというものでした。

 

稚内は小さいながらも官民それぞれに転勤族の町でもあります。一人、あるいは一家族でも、と期待しておりましたが、今のところ気配はありません。シクシク。

 

でも数年の内には、新風が吹く日が来るような気がしています。これまでの信仰生活の中でも、他の地域、そして様々な経験をもって居られる方との出会いは、多くの場合、教会に様々な気づきをもたらしてくれますから、楽しみに待ちたいと思います。

 

先月は、東京の日本聖書神学校より派遣された縣(あがた)洋一神学生が来稚(らいち)。10日間をご一緒しました。縣さんを通じて、わたし個人、そして、教会としても沢山の刺激と気づきを運んでくれたのですが、振り返ってみると縣(あがた)さんとの日々は、神さまが備えられた“伝道集会”だったような気もしています。

 

縣神学生とは2度の礼拝をご一緒しました。最初の礼拝では献(けん)身(しん)に関わる“証し”を依頼。神学生らしい心熱くなる内容でした。礼拝後、ある会員の方が口にされた言葉が、とても心に残りました。「稚内教会で証しを聴いたのは久しぶり!」と、ちょっぴり高揚した表情でお話になっていたのです。

 

実はこの一年の間に、わたしの体調不良の際にはN姉が急きょ奨励を担当して下さった日もありました。少し遅めの夏休みを頂いた10月には、信徒伝道週間と銘打った礼拝で「どうして私が」というT姉による証しも語られたのです。きっとその時の恵みとは異なる衝撃が、縣(あがた)神学生の証(あか)しにはあったのですね。

 

証し。それは誰にも与えられている神さまとの出会いについての「発信」と「傾(けい)聴(ちょう)」の時です。わたしが受洗・献(けん)身(しん)した東京の教会では、毎週火曜日の早天祈祷会の最後に10分程の証しの時間がありとても楽しみでした。

 

ただし半年に一度位は「森くーんお恵みだよ」と牧師からの証しの依頼があったものです。

 

日頃、お顔をお見かけしていても、どのようなお考えをお持ちなのか、知ることが出来なかった信仰の大先輩の一面に触れたり、自分自身も証しさせて頂くことで、いつしか、信仰の訓練を受けていたのだなぁ、と今になって気付きました。

 

分かち合いは教会の活力だと思います。今、みんなの思いが込められた『文集』の発行を目指しているのも、今の稚内教会の“証し"の実践なのですね。ゆっくりと、分かち合いのめぐみが広がり始めると嬉しいです。

 

稚内から車で3時間の所にある、歌登の酪農家・H家を縣(あがた)神学生と共にお訪ねしました。道中、一緒に歌ったり、笑ったり、神妙な話になったり、思い出すとほんと楽しい一日でした。

 

縣さんは免許をもっていないということで、行きも帰りも運転をするのはわたしでした。帰り道、睡魔に襲われ、縣さんに「目の覚めるような面白い話をしてくれー!」と何度か頼みましたが、ついに、耐えられなくなり、教会まで30分の所で、道路端に車を止めてバタンキュウと20分寝たりということもありました。縣さん、あの時、何をして待っていたのだろうか????

 

歌登訪問の際、一番最初にHY子さんからお聴きした話に言葉を失いました。クリスマス前、歌登で一番親しかった酪農家のご婦人が、牧草ロールの下敷きになって召されているのが見つかり、遺されたご主人は、近く離農するという内容でした。

 

すでに事故から3ヶ月が過ぎていて、本当に遅ればせではあったのですが、涙ながらの言葉を聴かせて頂き、祈りを合わせました。クリスマス、新年と晴れない気持ちを抱えながら、お過ごしだったのだなぁと思うと、何か自分にできることがあったのではと思いもしました。

 

また、離農をせざるを得ない遺されたご遺族=ご主人さまもどんなにか辛いことか。そして、Hさんのお宅は、後継が居られるわけでもなく、日頃から、いつまで体力が持つだろうか、ということを口にされていますので、いよいよ、考えさせられる出来事でありました。

 

おわりに、ちょっと別のお話を。

 

北海道での暮らしが始まってからというもの、なぜかというか、自然に、プロ野球日本ハムファイターズを応援するようになりました。福岡にいるときは、ソフトバンクホークスを応援しておりました。変わり身は早いなぁと我ながら思います。

 

で、ファイターズの栗山英樹監督のことが前から気になっていて、ある本を手にしました。栗山さん、栗山町にお住まいを構えていたり、監督経験なしだったにもかかわらず、昨シーズンは見事パリーグで優勝を果たしています。年齢もわたしに近いのです。

 

その本は、栗山さんご自身が書かれた本ではありません。栗山さんを取材して書かれた本なのですが、栗山監督が監督として一番幸せだと感じる瞬間は、選手が喜んでいる姿を見る時なのだと紹介する言葉に目が止まりました。

 

それを読んで、もしや栗山監督は、勝負師に徹しきれない何かを持っているのかも知れないと思ったものです。例えば、中日の元監督の落合さんなど、ぜったいにそういうことは言いそうにないような気がしました。しかしその反面、わたしは彼にグッと惹(ひ)かれたのです。やっぱりこの人、オレの好きなタイプの人間ではと感じました。

 

牧師、あるいは一人の人間として、出会いを与えられている皆さんが元気になっていく姿やその声に触れることが、わたしの幸せだと確信するこの頃です。

 

もちろん、他にも大切にしたいと思うことがいろいろありますが、人が人となっていくのは、神さまと共に生きることであると同時に、神に創られた出会っている方と、隣人になっていくことだと深く思わされています。それは、距離が離れていても可能なことのようです。

 

2013年度も主イエスに従う旅をご一緒いたしましょう!end

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